2019年11月19日

金属の種類

イエローゴールド

イエローゴールド ジュエリー

ゴールドは美しい黄金色の光沢を持ち酸化しにくく、もっとも安定した金属ですが、金自体は柔らかい物質なので、純金(K24)をジュエリーに加工すると柔らかすぎて変形したりキズがついたりしてしまいます。
そこで、ジュエリー・宝飾品としてのゴールドは別の金属との合金を使うことがほとんどです。
同じゴールドでも、イエローゴールド・ピンクゴールド・ホワイトゴールドと色が違うのは、その合金に使う金属の違いによって色が変わります

24金というのは混ぜ物の無い金、つまり純金です。 金の延べ棒(金塊)などはもちろん純金です。
「18金」は日本で最も一般的で、配合率は金が75パーセント、それ以外の金属が25パーセントを含む金の合金です。
そして、その「18金」のうちの25パーセントにあたる金属のことを割り金といいます。

アクセサリーとして強度や耐久性などを高めるなどの目的で、純金以外の残りの金属を「割り金」(わりがね)といいます。
金の弱点をカバーするためにもとても大切なものです。
割り金に使われる金属はおもに銀と銅、ホワイトゴールドにはパラジウムが使われ、その配合率でゴールドの色が変わってきます。

純金は黄金色ですが、配合する金属・量によって色合が変化していきます。
18金の場合、配合率は金が75パーセント、銅と銀などの割り金が25パーセント。
その中でも、割金に銀だけを使ったものをグリーンゴールドと呼び、銅を多く使ったものをレッドゴールドと呼びます。
そして、その中間のものをイエローゴールドと呼びます。


ピンクゴールド

ピンクゴールド

割り金の比率を銀より銅を増やすことで、合金後は赤味のかかった色になります。
銅は、「あかがね」の別名をもつ、赤みの強い金属ですから、そのような赤みが出るようです。
銅を多めに加え、パラジウムを加えると、赤みがピンク色になります。
そのようにして、あの独特の、淡く赤みがかった色合いのピンク・ゴールドが生まれるのです。
ピンク・ゴールドは、割り金ではもっとも新しく登場したタイプです。
発色がよく、やさしい色合いのため、人気があります。


ホワイトゴールド

ホワイトゴールド

実は、プラチナの代用品として開発されたのがホワイトゴールドです。
「ソフト・ホワイト・ゴールド」と呼ばれる配合が、「金-パラジウム-銀」。
柔軟で加工しやすいのが特徴です。
強度を増したいときは、これにニッケルを少しだけ加えます。
しかし色味がやや黄色っぽく、濁ったように見えるため、ほとんどのホワイトゴールドの宝飾品にはロジウムメッキをかけます。
最近では「金75%-パラジウム25%」の配合が増え、これが主流になりつつあります。通称「パラ割り」と呼ばれています。
昔の割金は銀とニッケルでしたが、アレルギー対策のため近年はニッケルがパラジウムに変わりました。

ロジウムメッキを施してあるということは、どうしても使っているうちに、ぶつかったり傷ついたりして、だんだんその表面のロジウムがはがれてしまいます。
そして、若干黄色味を帯びた地金の色が表面に現れた状態になってしまいます。
でも、この状態は変色したわけではなく、メッキが剥がれて真っ白でない18金が露出しただけです。
これを元通りにするには、もう一回ロジウムメッキをすれば新品同様になります。
費用もさほどかかりません。
そのうえ最近では、時間の経過と共に業界やメーカーも大変勉強し、割り金の技術も向上したため、現在では黄色味も少なくなり、ロジウムメッキも一時に比べるとかなり耐久性が増したようです。


シルバー

シルバー

銀は人間が使用した最初の金属のひとつです。
落ちついた柔らかな白い光沢が特徴ですが、すべての金属のなかで(水銀とともに)もっとも可視光線の反射率が高く、研磨することによってプラチナよりも強い輝きを出すことができます。
また、展延性に富みあらゆる金属のうち熱や電気の伝導率が最大です。
銀は自然界に広く分布していますが、他の金属に比べれば総量はきわめて少ないものです。
また、自然に存在する多くの鉱物中に含まれている点が、金とは異なります。

銀は金やプラチナと違い、原子的に安定していません。
化学変化を起こしやすく、すぐに変色します。銀製品は大気にそのまま放置していたり、硫黄の含まれたものに触れていると黒く変色します。
これは、空気中の硫黄によって表面に硫化銀の皮膜を作ることが原因です。
硫化銀の皮膜の厚さによって、黄色、次に茶褐色に変わり、更に皮膜が厚くなると黒色になります。
稀ですが、塩素と化学反応(塩化反応)し、表面に塩化銀の皮膜を作り茶色に変色する事もあります。
塩化銀皮膜は茶色の変色から次第に黒い変色へ変化していきます。
塩化銀皮膜は硬く安定した物質でシルバークリーナーでは取れません。
研磨剤で磨くかシルバークロス(研磨布)で塩化銀皮膜をとるしかありません。

世界で産出量が多いのは、メキシコ、ロシア、アメリカ、カナダ、ペルー等で、これらの国で世界総生産の大部分を占めているそうです。
このように、精錬技術の発達と鉱山の発見により、現在では供給量が増えたうえ、様々な回収システムが整備されたことから、金よりも安価になっています。

古代の一時期、シルバーはゴールドより貴重だと考えられていました。
自然の状態から純銀を分離するのが、自然金を分離する作業より難しかったからです。
古代エジプトでは、シルバーがゴールドよりはるかに希少価値が高かったので、ゴールドにシルバーのメッキを施したことさえあったといいます。


プラチナ

プラチナ

プラチナは産出する国も少なく、南アフリカ(80%)とロシア(11%)で 世界産出量の9割を占めており、 年間産出量も金の1/25の150トン程 しかありません。
しかも原鉱石のプラチナ含有量もごくわずかで、 細い小さなリング1つ(約3g)を作るためには約1トンの原石が必要 になります。
特に、最近ではプラチナの割金に使っているパラジウムが高騰し、プラチナよりも高くなってしまい、つられてプラチナまでもが値上がっています。

プラチナが永遠に白い輝きを放ちつづけられるのは、日常生活では酸やアルカリに侵されたり錆びることもなく、 熱にも強いからです。
長い歳月を経ても変色、変質の心配がほとんどありません。

わが国では、プラチナ含有量が85%に満たないものは政府の品位証明を受けることができないので、 一般的に使われるプラチナ900(Pt900)は、含有量が90%と高純度。
最低でも含有量85%のプラチナ850(Pt850)です。

一般にプラチナは、金(Gold)と比べてもさらに希少価値が高く、その主な用途としては、身近な装飾品(宝飾品)に利用されるだけでなく、自動車の排気ガス浄化触媒、燃料電池の電極、液晶パネルの製造、コンピュータのハードディスクなど工業用にも多く利用されており、その需要は年々さらに高まる傾向があります。

ハードプラチナ、という表記を見かけることがあると思います。
このハードプラチナは比較的柔らかい金属であるプラチナに他の金属を混ぜることで硬質に仕上げたものです。
プラチナの地金(延べ棒状の金・プラチナ)はpt900、などといった表記の仕方をしますが、これは90%がプラチナ製であることを示しています。
さらにこのpt900にもパラ割り・ルテニウム割り、の二つに大別されます。
○パラ割り・・・パラジウムを割りがねにする方法で、一般的にハードプラチナというとこの方法が主流なようです。
○ルテニウム割り・・・ルテニウムを割りがねにする方法で、硬度を上げることができ、加工しやすくなります。

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