2024年12月6日

宝石のカットの種類

宝石にはさまざまなカットがあります。
それは石の輝きを最大限に引き出すもの。
石の特性に合わせて、またデザインによってカットを変え、より美しく輝くように工夫されています。

ダイヤモンドに関しては、このカットもグレードの1つとされ、
Excellent > Very Good > Good > Fair > Poor
の順に評価されています。

鑑別・鑑定書に記載されていることもありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ファセット カット

ファセットは「面」を意味しており、宝石の表面に角度をつけて多くの面をつくることで光が屈折し、
宝石内部から輝きを得ようとするものです。主にブリリアントカット、ステップカット、ラウンドカットに分けられます。

  

<<ブリリアントカット>>

反射・屈折率など数学的考慮から生み出された、ダイヤモンドが最も美しく輝く型のカットです。
17世紀にヴェネツィアで原形が考案され、1919年にマルセル・トルコフスキー(ベルギーの数学者かつ宝石職人)が確立しました。
様々な種類がありますが、ラウンド以外の形のものは、総称してファンシー・シェープと呼ばれています。

 

ラウンド ブリリアントカット(round brilliant cut)

上面が円形のブリリアントカットです。
4Cの基準にもなっている、20世紀を代表するカットです。
通常58面で、58面、82面、144面、と面の数が増えるほど輝きが増して見えます。
ラウンド ブリリアントカット(round brilliant cut)

ラウンド ブリリアントカット


オーバル ブリリアントカット(oval brilliant cut)

       

上面が楕円形のカットです。
ラウンドカットより失う原石部分が少ないです。
オーバル ブリリアントカット(oval brilliant cut)

オーバル ブリリアントカット


マーキース ブリリアントカット(marquise brilliant cut)

ある女性の笑顔をモデルに作られたカットです。
両端がとがった形で、ブリリアントカットの変種です。
実際のカラットよりも大きく見せることが出来ます。
先端が割れやすいので身に着ける際には注意が必要です。

マーキース ブリリアントカット(marquise brilliant cut)


ハート ブリリアントカット(heart brilliant cut)

珍しいハート型のカットです。通常は65面からなります。
愛を表現する場面で好まれ、結婚のシチュエーションで使われることが多いです。
ハート ブリリアントカット(heart brilliant cut)

ハート ブリリアントカット(heart brilliant cut)


ペア ブリリアントカット(pear shaped brilliant cut)

別名ドロップ(雫)カットです。ブリリアントカットの変種の1つです。
リングに用いると、形の効果で指が長く、綺麗に見えます。
ペア ブリリアントカット(pear shaped brilliant cut)

ペア ブリリアントカット(pear shaped brilliant cut)


オールドマイン ブリリアントカット(old mine brilliant cut)

上面が正方形のカットです。
ペルッシーカットとも呼ばれます。

オールドマイン ブリリアントカット(old mine brilliant cut)


<<ラウンド カット(round cut)>>

正面から見て円形のファセットカットです。ガードルより上側に位置するクラウンはブリリアントカットと同じで、パビリオンのカットの種類によってジルコンカット、シングルカットなどに分類されます。
ルビー、エメラルド、サファイアの価格の低い石は若干変形しており、パビリオンが膨らんでいるため、石留めが困難な事もあります。総称してラウンド・ミックス・カットと呼ばれます。

 

シングル カット(single cut)

主にメレダイヤ(脇石などの小さなダイヤ)などの極小サイズに用いられます。ブリリアント・カットが58面なのに対し、シングル・カットは17面しかありません。
現在ではあまり見掛けなくなりました。
シングル カット(single cut)

シングル カット(single cut)

ジルコン カット(zircon cut)

内部での光の反射に最適なカット法です。
ダブリング(複屈折)という現象を兼ね備えたジルコンの名をとって、ジルコンカットと呼ばれています。

ジルコン カット(zircon cut)


<<ステップ カット(step cut)>>

宝石の外周が四角形(変種含む)に型どられており、ファセットが側面のガードルに平行に削られているものを指します。
横から見ると下部がステップ(階段)状になっているため、この名前がつきました。
トラップカットとも呼ばれます
角を削り取った8角形のエメラルドカット、角が削り取られていないスクウェアステップカット、バゲットカットなどに分かれます。

 

エメラルド カット(emerald cut)

四隅を切り落とした長方形のカットです。
特にエメラルドには、屈折率的に合っている為よく用いられます。
エメラルド カット(emerald cut)

エメラルド カット(emerald cut)


バケット カット(baguette cut)

バケット(棒状)の、四隅がカットされていないカットです。
色が強く見えることと、見た目が大きく見えることが特徴です。
ダークトーンの洋服にはよく映えるので、涼しい季節向けのジュエリーにオススメのカットです。
バケット カット(baguette  cut)

バケット カット(baguette  cut)


ミックス カット(mix cut)

ブリリアントカットとステップカットの両方の特性を備えたカットを指します。
通常はクラウンにブリリアントカットが、パビリオンにステップカットが施されます。
ブリリアントカットのきらびやかな視覚効果と、ステップカットのデザイン性を合わせた、良いとこ取りのカットです。
比較的最近誕生したカットで、ラウンドブリリアントカットが維持していた人気の牙城を崩すほどの勢いを持ちつつあります。

 

<<トリリアント カット(trilliant cut)>>

名前の通り、三角形のカットです。
中々目にする機会の少ないカットかもしれません。
丸みが無いため、スタイリッシュなイメージを連想させます。
トリリアント カット(trilliant cut)

トリリアント カット(trilliant cut)


<<プリンセス カット(princess cut)>>

1960年に世に出て以来、ミックスカットの代表として人気を誇ります。
他のミックスカットと比較して、宝石の輝きを引き立たせるという点と、
カットの際に失われる原石を最小限にとどめることができるというのが良い点です。
プリンセス カット(princess cut)

プリンセス カット(princess cut)


<<ローズ カット(rose cut)>>

一般的に、平らな底面で、24の三角形の面を持ちます。
形がバラのつぼみに似ていることから、この名前がつけられました。
当初は原石の形に合わせて研磨されていましたが、次第に研磨面が多い複雑なカットへと変わっていきました。
強い輝きが特徴です。
ローズ カット(rose cut)

ローズ カット(rose cut)


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